これは上の加工機の中程についてる電極保持機構でござる.電極は電極保持部と一体となっているパイプの中にあり,さらにそのパイプと電極心出部をもつ外側のパイプにより支持されているでござる.電極保持部は電極と同じ形状の穴を持ち,電極は保持部との摩擦により保持されている.そのため穴の精度は非常によい.また図中Dの電極送り出し棒により,加工中に電極が消耗しても消耗長さ分だけ電極を下方に送り出すことにより電極を交換することなく新たな加工に進め,能率的な加工が可能となっているでござる.
 せっしゃの加工機は,加工精度および加工効率の向上をねらって開発された抵抗とコンデンサからなるRC型精密放電加工装置(渇サ繊ノズル製作所社製 NSP−1001)でござる.また加工時における電極の加工位置への移動は被加工物を固定している2軸直動X−Yステージによって行っているでござる.このステージは,パソコンにより最小10μmの精度で制御が可能となっているでござる.一般に微細放電加工では,コンデンサ回路が用いられるでござる.これは,微細放電加工においては加工面積が小さいため,アーク柱の膨張を防ぐためにピーク値が高くパルス幅の短い電流を発生させるコンデンサ回路が有効となるからでござる.また,このようなRC回路を用いた放電加工の場合,一般に電極消耗は工具電極を陰極とする正極性の方が小さく,工具電極を陽極とする逆極性は大きいとされるでござる.そこでせっしゃは所望の形状を得るための加工は正極性で行い,電極端面の成形時に電極消耗の大きい逆極性を使用しているのでござる.